深海生物図鑑 No,1 ラブカ
No,1 ラブカ
最初に紹介する深海生物はラブカです。ラブカはサメの一種ですが、細長くあまり鮫のようには見えませんね。
下記でも記述しますが、ラブカは古代ザメ、クラドセラけに似ていることから生きている化石と呼ばれています。シーラカンスやカブトガニと同じですね!
他にも独自の免疫システムを持っていたり、とても奥深い深海ザメです。
ラブカのことを少しでも詳しくなっていってください!
【基本データ】
学名:Chlamydoselachus anguineus
分類:カグラザメ目ラブカ科
体調:1〜2m
水深:約200〜1500m
【生態】
サメの仲間だが、サメらしからぬ細長い体型から「ウナギザメ」と呼ばれている。
サクラエビ漁の網に入っていることがあり、古くからその存在は知られていた。
英名では frilled shark と呼ばれ、大きいフリルのようなエラの蓋のことを指す。
Point.1 獲物を決して逃さない歯
約300本の歯が25列に並び、どのサメのものとも似つかない独特な形状を持っている。
Point.2 デボン紀の古代鮫に似た姿
デボン紀に登場し、絶滅している古代魚クラドセラケに似ている点から生きている化石と言われている。
Point.3 みんなに愛されるラブカ
ラブカは独特な見た目から大人気怪獣のモチーフにされた。それはシン・ゴジラの第二形態である。
【最近の研究】
2023年 「卵黄タンパク質のホモログが生きたサメで同定: レシトトロフィーからマトロトロフィーへのシフトに共役」
→哺乳類では、lecithotrophyからmatrotrophyへのシフトに伴い、すべてのVTG遺伝子が 失われるが、非哺乳類におけるlecithotrophyからmatrotrophyへのシフトもVTGレパートリーの改変と関連しているかどうかは、まだ解明されていない。本研究では、軟骨魚類(軟骨魚類)という、複数のレシトロフィからマトロフィへのシフトを経験した脊椎動物クレードに注目している。対象として2種の胎生軟骨魚類、ラブカと無斑平滑猟犬シロザメの組織を使っている。
Ohishi, Y., Arimura, S., Shimoyama, K., Yamada, K., Yamauchi, S., Horie, T., Hyodo, S., & Kuraku, S. (2023). Egg Yolk Protein Homologs Identified in Live-Bearing Sharks: Co-Opted in the Lecithotrophy-to-Matrotrophy Shift?. Genome biology and evolution, 15(3), evad028. https://doi.org/10.1093/gbe/evad028
2020年 「深海ザメChlamydoselachus anguineusの出生前胚の成長軌跡(軟骨魚類)」
→ラブカの発生段階を追った論文各ステージごとで発生を観察している。
López-Romero, F. A., Klimpfinger, C., Tanaka, S., & Kriwet, J. (2020). Growth trajectories of prenatal embryos of the deep-sea shark Chlamydoselachus anguineus (Chondrichthyes). Journal of fish biology, 97(1), 212–224. https://doi.org/10.1111/jfb.14352