深海生物図鑑 No,3 メンダコ
No,3 メンダコ
【基本データ】
学名:Opisthoteuthis depressa
分類:八腕形目メンダコ科
体調:最大26 cm
水深:200~1000 m
【生態】
腹側には小さな漏斗もあるが、墨袋は持たないため、一般的にタコのような墨を
吐くことはできない。
8本の腕には、それぞれ約65個の吸盤が1列についていて、吸盤の列に沿って触毛
がある。
各腕は傘膜で連結されていて、独特な円盤のような見た目になっている。
メンダコは他の深海生物に比べ特に体が柔らかくクラゲの体のようになっている。
あまりに繊細なため調理器具のお玉で海中でそっとすくうと良いとされている。
日本の水族館で飼育された例はあるが、長期の飼育は成功していない。
【小話】
メンダコはその可愛い見た目から「深海のアイドル」と呼ばれている。
「深海のアイドル」と言われることから活躍範囲は幅広く、
ファインディング・ニモのキャラクターとしてメンダコが活躍していたり、
水族館で展示できる機会が出ればビックニュースとして取り上げられる。
メンダコの体はほとんどが水分で満たされていて、動きも遅く水族館で見ると
ずっとぷかぷかしていて可愛い〜
【最近の研究】
PubMed内で論文を調べたのですが論文数はまだ2個しかなかったです。
まだまだメンダコは有名ですが未知の可能性を秘めた深海生物ですね!
2009 年 「メンダコから発見された新しいジセミ類」
→駿河湾で採集されたメンダコから新種の中世動物が発見された。
本種は腎付属器表面に付着するし、22または23の周辺細胞、円盤状のカロッテ、
前柱細胞まで伸びる軸細胞を持つ。
メンダコから産出されたジセミド類の最初の記載である。
Furuya H. (2009). A new dicyemid from Opisthoteuthis depressa (Mollusca: Cephalopoda: Octopoda). The Journal of parasitology, 95(4), 971–975.
2005年 「ミトコンドリアDNA配列を用いた日本産メンダコ(軟体動物門:頭足類)の主要種間の系統関係」
→16S rDNA、12S rDNA、シトクロムcオキシダーゼサブユニットI遺伝子の3つの
ミトコンドリア遺伝子の部分配列を用いて、日本海域産の主要な頭足類36種
の系統関係を調べた。
第一のクラスターは、大陸棚や上部斜面に生息するEnteroctopus dofleiniやOctopus (Paroctopus) conispadiceusのような大型のタコが含まれる。
第二のクラスターは、O. ornatus、O. minor、O. sasakiiのような腕の長いタコで構成されている。
第3のクラスターには、Amphioctopus fangsiao、A. areolatus、O. cyaneus、O. vulgarisなどの小型から中型のタコが含まれ、そのうちの数種は網に眼球を持つ。
Takumiya, M., Kobayashi, M., Tsuneki, K., & Furuya, H. (2005). Phylogenetic relationships among major species of japanese coleoid cephalopods (Mollusca: Cephalopoda) using three mitochondrial DNA sequences. Zoological science, 22(2), 147–155.